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『夜想曲集』稽古中&る・ばる執筆中 [舞台]

こんばんは。ブログ、随分と時間が空いてしまいました。
4月1日から本格的に始まった「夜想曲集」の稽古場、
この一週間、演出の小川絵梨子さんを中心に
俳優の皆さんとテキストを深く深く探っていっています。
この作品は、カズオ・イシグロさんの5編からなる短編集『夜想曲集』から
『老歌手』『夜想曲集』『チェリスト』の3編を選び舞台として立ち上げています。
世界初演。
もともと、カズオ・イシグロさんの作品は好きで様々読んでいましたが
なかでもこの『夜想曲集』は、
静かだけれどほんとうにいろんな感情が揺さぶられる作品です。
自分自身の夢や、「才能」という不確かなもの、
そして誰かを愛すること……。
様々な思いが、音楽という媒体を通して浮かび上がってきます。
戯曲化するときには、原作の世界を壊さないように、
さらに舞台ならではの良さを存分に出せるよう、心を込めて編んでいきました。
今、稽古場では登場人物たちがどんどん立体的になっていく最中です。
絵梨子さんの熱い言葉が、稽古場を突き動かしています。
言葉にはなっていない感情、隠された襞、
どれほどの熱と炎がそこにあるのか。
稽古はこれからいよいよ立ち稽古に移っていく段階です。
音楽や美術、舞台のための各セクションもこれから目に見える形で立ち上がっていきます。
できるだけ遠くへ到達できるよう虎視眈々と今を重ねている、そんな時間。
エネルギーに充ちて、わくわくする稽古場です。

[ぴかぴか(新しい)]
ホリプロ「夜想曲集」
2015年5月11日(月)~24日(日)
天王洲 銀河劇場 ほか
[ぴかぴか(新しい)]



それからもう一つ、『夜想曲集』の稽古場に通いながら
目下私がやることは、る・ばる『蜜柑とユウウツ-茨木のり子異聞-』のリライト。
第一稿を提出し、昨日、演出のマキノノゾミさんをはじめ
る・ばるの松金よね子さん・田岡美也子さんも加わってくださって
(岡本麗さんは旅公演中です!)
初稿のフィードバックをいただきました。
これから、改訂稿への旅に踏み出していきます。

こちらはまだまだこれから!やー、はてしない。
けれどいつも、第一稿を書き上がった後は「さあ、ここからだ」という思いになります。
霧の中を手探りで進むように書き上げた第一稿、
そこからやっと自由になって、
今描こうとしている土地の地形であったり広さであったり
どこにどんな美味しい果実が潜んでいるのか、
どこに道を塞ぐ石が転がっているのか、
空の色、風の手触り、いろんなことが鮮明になってきます。
鳥の目というのかな……ちょっと俯瞰した目で脚本を読み直していけます。
(ほんとうは、最初からそれができなきゃいけないんだろうと思うのですが)

これは、今まで自分が書いたことのないような作品で
私にとってもたくさんの挑戦が詰まっています。
でも茨木のり子さんの人生と作品を取り扱う以上、
自分の中で信じていることは確かにあります。
願うのは、この作品のラストシーンで、今は亡き茨木のり子さんが微笑んでくださること。
そして、お客さまの心に
もういない人が手を振ってくれる、そんな明るさと切なさとがじんわり充ちること。

私の人生経験は、まだ37年分しか無くて
それ以上でも以下でもないちっぽけなもので、
それでも、マキノノゾミさんとグループる・ばるの皆さんがいてくださるから
私の中に眠っているドアを「もっともっと」と叩いてくださいます。
これまで手を伸ばしてこなかったところへ触れたいと願わせてくれます。
開くはず。上がれるはず。
そう言い聞かせて、びゅうびゅう風に吹かれながら
鳥の目で、改めて第一稿を見直していきます。

[ぴかぴか(新しい)]
グループる・ばる「蜜柑とユウウユー茨木のり子異聞ー」
2015年6月12日(金)~21日(日)
東京芸術劇場 シアターイースト
[ぴかぴか(新しい)]



それにしても
『夜想曲集』の稽古場も、る・ばるのフィードバックの場も
教えていただくこと、心に沁みることがたくさんあります。
演出の熱、俳優の力、スタッフのチームワーク。
その深い洞察、目指す景色に胸を突かれることもしばしば。
書きながら、行動しながら、吸収していかないとと思わせられる日々。
お願いだから、実践の中で少しでも学んでちょうだい、私よ。

そして机の周りには、今直しに向かっている茨木のり子さんの本や資料のほかに
坪内逍遙とシェイクスピア関連の本も山積みで。
実はこれは、9月末から上演されるとある書き下ろし舞台の資料なのですが
(詳細はまた追って!)
る・ばるの直しが終わったら、こちらの執筆に入っていくことになっています。
6月末までに書き上げる目標なのですが、、、あと2ヶ月ないのです。
まだ全然、戯曲を書くための物語の構築のうんと手前、下調べ中です。
私、書くのがそんなに早いほうではなくて、
(下調べの時期を抜かして)書き始めてから一ヶ月半はみないとならないので
5月は『夜想曲集』本番となるし、る・ばるの方も毎日稽古となるので
どうやって書いていくか。
しかもこれは自分にとっては巨大な山なんです……これまで登ったことがないくらいの。
今の私じゃ、いろいろ足りません。
(ちなみにこれまで一番長かった執筆期間は『終の楽園』でした。
書き直しも入れて、四ヶ月かかりました……)

「怖い」なんて躊躇している暇はないから、思いつく準備をやっていくしかありません。
別のエンジンが掛かっているうちに、ぐぐっとこの新作への準備も進めたいです。
ぎゅぎゅっと濃い四月。

深呼吸。

四月中旬は、井上ひさし先生の「吉里吉里忌」で山形に行って
茨木のり子さんのお墓参りもしてきます。
はじめての山形。
深呼吸してきます。

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